二回目の再会。


としての。

「また絡まれてたのか?」

としてはA・Tをはかなくなったあたしは、また不良に絡まれた。
何で、こんなに都合よく、鵺に助けられるんだろう。
「す、すみませんでした・・・一度ならぬ二度までも・・・」
バレないかドキドキしつつ頭を下げると、どうやら鵺にはバレなかったらしい。
安心、と同時になんだか、少し寂しい。

「これからは気をつけろよ」
といって、去ろうとした鵺を、思いっきり掴んだ。

「あ、あの!名前、聞いても・・・いいですか?」
というと、鵺がニカっと笑った。
「俺は鵺。夜に鳥で鵺」
一番、よく知ってるよ。
そう思ったけど、こっちでは面識がないから、聞いておいた。
考えれば、よくこんな勇気があったな、と感心した。
トリックスターにはない、勇気。


「わ、私、です!あの、お礼がしたいんで・・・こ、今度!どこかにいきませんか!」


おごります!というと、鵺があたしの形相に少し笑った。
「今週の土曜日ならいいぜ」
と笑って言う鵺に、あたしは何度も頷いた。
「は、はい!じゃあ、今週の土曜日に!」

といって、メールアドレスを交換した。
トリックスター用に別携帯を持っていて良かった・・・と大きく息を吐きかけたのは秘密。



家に帰って、服を広げた。
ど、どうしよう・・何を着ていこう。
A・Tを始めてからは、服なんかに予算は割けなくて。
あんまりめぼしい服っていうのは無い。

もうちょっと、マシな服を持ってたらよかった・・・。
色々と探して組み合わせてみるも、あんまり、パ、とした服は見つからない。

「・・・シムカに借りようかな・・・」

シムカなら可愛い服とか、一杯持ってそうだし。


「あ、でも胸のサイズが・・・」


サラシをまいてないはずなのに、ストーンと足が見える胸に溜息を吐いて。
あたしは中でも、一番可愛い服を取り出した。
真っ白なフリルのついた、胴部分が6段レースなキャミソールに、膝下のジーンズ。
白いミュールに、髪留め。



ああ、ついに明日は土曜日だ。





いざ、出陣デス!



( 今更だけど胸がドキドキするんです )