「アっレンと任務ー、アレンとにっんむー!」

ハイスキップをしながら、あたしは食堂までの道を歩いていた。
コムイさんが、とりあえず部屋を壊した罰としてアレンとの任務を言い渡された。

え?前回の話の、あのシリアスな締めくくりはなんだって?
過去を振り返らない女なのよ、あたしは。


「昨日はカレーを食べたから、今日は何にしようかなー」

思いっきり振り返ってるよっていう言葉はとりあえず無視。




「相変わらず全身食道だな、てめぇは」
「ふぁ、ふぁんふぁふぁー、ふぉふひふぁほー?」
「食ってから喋れ、馬鹿女」

さっそく席について超特大オムライスを食べてると、神田が目の前に座った。
食べてるときに話しかけてきたのはそっちのくせに、相変わらず俺様な奴め。

「んぐっ、ぐげはっ!・・・ごほごほ・・・。で、神田。どうしたの?」
「(ぐげはっ?)・・・別に、どうもしねぇよ」

「そっちから話しかけてきたくせに!食事の邪魔しないでよー!おまえはツンデレか!?ツンツンか!?ツンドラかっ!」
「全部違う、っつーか最後のだけは絶対に違ぇ」
「細かいことは気にするな、な?」

誰も神田がツンドラだったとしても、誰も責めたりなんてしないよ。


「むしろ俺はツンドラだと胸をお張り?」
「斬っていいか?」

「断る」


あーもうっ!殺気を出さないでよ、このバ神田っ!短気!
これだから神田はモテないんだよ・・・アレンの優しさを見習ないなさい!



「もー、神田にはアレンの爪の垢をぜんじて口の中いっぱいに詰め込みたい気持ちよ?」
「気持ち悪ぃ。つーか、そんなに爪の垢取ったらもやしの爪がなくなるだろうが」

確かに、アレンの麗しい爪がなくなってしまうのは困る。
っていうか、本当アレンの手って真っ白だよねぇ・・・うふ、うふふふふ。

「飛び立つな、馬鹿」
「いたっ!」

ゴスっと頭を六幻で叩かれた。六幻で!(はい、ここテストに出ます)

「てめぇは考え事するたびに気が高まってる。・・・こんなところで暴発するなよ」
「・・・わかってるよ」
さすがに食堂じゃ暴発したら大変なことになるじゃないか。
あたしの部屋だって強化してあるから、あたしの部屋の中だけで爆発が止まるんだし。


それにしても、アレンのことを考えるたびに暴発が起りかけるって・・・。

「バケモノは、こんなこと考えるなってことかな・・・」
神の使途なんて言ってるけど、実際普通の人から見たら化け物でしかないもんなぁ・・・寄生型って。
でも、アレンのあの手は別物。あの手は綺麗で安心する。
そう言うと、アレンは変な顔をしてたけど。


「いたっ!」
ボンヤリしてると、突然頭を叩かれた(最近頭を叩かれすぎてる気がするっ!)。
「大した思考回路ねぇんだから、あんまり難しいこと考えんなよ」
「・・・ん」

ありがと、神田。





たまにはいい奴



( たまにはっていうか、ごくまれには? )