「ただいまー、コムイさん」
「ただいま帰りましたー」
ガチャっとドアを開けると、そこにはイスに縛り付けられたコムイさんと、コーヒーを飲んでるリナリーがいた。

「お帰りなさい、アレン君、
「ただいまリナリー・・・あの、コムイさんは・・・」
右腕だけは自由になっていて、イスに縛られて寝ることも許されない感じのコムイさん。
ボロボロと涙をこぼしてる。

「最近凄く仕事をためこんでたから・・・」
「なるほど・・・」
にっこりと笑いながらも、額に青筋の浮かんでるリナリーを見て、アレンは納得したようにうなづいた。
まぁ、コムイさんのは・・・自業自得だよね。


「コムイさん・・・因果応報って言葉知ってる?」
までーっ!ひどい!ひどいよ、皆。僕は毎日リナリーに会いたいだけなのにぃっ!」
ショーック!といわんばかりに叫ぶコムイさんに、アレンとリナリーが苦笑した。

あれ?



「あ、そうだ。アレン君。アレン君はあとで神田君と任務に行ってもらうから」
「えーっ!?」

コムイさんの言葉に、アレンが嫌そうに顔をゆがめて叫んだ。
アレンってば神田のこと大嫌いだからなぁ・・・まぁ、神田は俺様だし。

「しょうがないよ、アレン。神田と組まなくちゃいけない日だってあるさ」
うんうん、何しろコムイさんはアレンと神田の仲が悪いのを楽しんでるから、なおさら。
「それは・・・そうなんですけど」

「大丈夫だって!神田も人間なんだしきっとどこかに弱点がある!」
「そうですよね!神田だって人間なんですから、熱湯を頭からかけたら熱いですよねっ!」
「いや、それは熱いっていうよりやけどするからっ!!」

落ち着いてアレン!もうちょっと平和的解決法を・・・っ!


「そ、そうじゃなくってさ、ポニーテールをクルンクルンのお嬢様ヘヤーにしてみるとか、神田のそばを爆発させてみるとか、神田の前髪を爆発させてクルクルパーマにしてみるとか!」

「やった結果、お前はどうなった・・・」


「五時間正座させらました・・・」

いつの間に来たのか、神田があたしの頭を掴んでいた(ひ、ひぃっ!殺気がっ・・・!!)。



「正座って、あの日本文化のですか?」

むしろ土下座十時間でもよかったな・・・」

「増えてるから時間っ!!」
なんだいちくしょー、このいじめっ子ポニーテールめ。
アレンの爪の垢をぜんじて、口いっぱいに詰め込むぞっ!こらぁっ!!


「ちっ・・・それよりもてめぇ、さっき気が高まってたぞ。こんなとこで暴発するんじゃねぇよ」
「・・・わかってるよ」

別に、リナリーに嫉妬してたわけじゃない。


「わかってるもん・・・」

だって、アレンはあたしを好きってわけじゃないんだから、こんなのお門違いなんだから。

よーしっ!暗いのやめ!!





大丈夫、大丈夫



( それはあたしの心を落ち着かせてくれる、無敵の呪文 )