「ねぇ、ってひょっとして・・・アレン君のことが好き?」


「へ?」



突然のリナリーの発言に、あたしは固まるしかなかった。


「え、いや、好きだけど?」
大好きとは叫んでるし、あたし嫌いな相手は無視するタイプだよ?

「ううん、そうじゃなくて・・・れ、」
「あっはっはっは!!まっさかぁ!!」
リナリーが何を言うかわかったからこそ、あたしは叫んでごまかした。

「やっぱりそうなんだ」

それが墓穴を掘るっていうことはよくわかってたけどねっ!!
これだから鋭い子って、鋭い子ってっ!!


の暴走がひどくなったのも、アレン君と仲良くなってからだよね」
「・・・あぅ・・・」

バレバレってやつですか・・・?


「ご、ごめんなさい・・・」
「え?」

あたしのつぶやきに、リナリーがきょとんと目を瞠った。
いや、うん、だって・・・だってさ。

「リナリーみたいな美少女でもあるまいし、何身分違いなことしてんだよって突っ込みたいよ、本当にっ!しかも暴発まで頻繁にするようになったし、あたしってどんだけ妄想好きの変態なわけっ!?ああもう、身の程を知れって感じだよね!」

・・・?」

「アレンのこと好きになるたび暴発率増えるし、これはもうあれだね!神様がこの恋はやめろって言ってるようなもんだよね!」


!」


リナリーの強い声に、口が止まった。
じっとリナリーがあたしを、ちょっとにらむように見上げてきていた。


「そんなこと、自分で言わないで」
「・・・うぅ、りなりぃ・・・」
真剣に言うリナリーに、あたしはぎゅうっと抱きついた。
あれはでも、あたしの本音。

「だって、アレンのこと好きーって思うたびに暴発しかけるんだもん・・・」
そのたびに部屋の調度品は壊れるし、シーツは燃えるし、部屋は真っ黒焦げだし・・・。
「だからって神様が恋をやめろなんて言ってるわけじゃないわ。誰に恋するのも、自由じゃない」
ね?とリナリーが首をかしげてくれた。


は暴発するほど強い恋をしてるのよ」

それが表に出ちゃって暴発してるだけよ?と言うリナリーに感動して、もう一度抱きつこうとした、瞬間。



ー!!!僕のリナリーに何してるんだーー!!」



「・・・兄さん・・・」
このっ、人がせっかく感動してたっていうのに。

「もう、コムイさん感動台無しー!!!ストーカーの容疑でしょっぴかれて豚箱に入れられて、豚と暮らしちまえっ!!」
「ひどいよ!」

「兄さん・・・私も、それをお勧めするわ」
「リナリーまでぇっ!?」
リナリーと顔を見合せて、お互いに笑った。





神様に許されなかった恋



( 恋を許してくれない神様なんて、神様じゃないわ )