や、ばい・・・。
叫んで逃げてしまいました・・・っていうか、あれ確実に告白だったよね・・・?

アレンのいた方に背を向けて、思いっきり走ってるけど、追いかけてくる音はしない。
いや、もしこれがうぬぼれだったらどうしようと思うんだけど、でもあたしだってそこまで馬鹿じゃない。

あんな、目で見られたら嫌でもわかる(嫌じゃないけど!)


うれし、かった。
凄く凄く、本当はうれしかった。

でも・・・やばい。
駄目だ、だめ、だめ!やばい、やばいっ!


わかる。今なら神田に言われなくたって、わかる。

制御が、できない。




バンっと科学班の部屋を開けて、飛び込んだ。

・・・?」
まだ部屋にいたリナリーが、きょとんとあたしを見てくるけど、あたしはそれにかまってられなかった。

「うわっ!」
ボンっと音がして、リーバさんの愛用のサイダーが吹っ飛んだ。
また、小さな爆発音がして紙が吹っ飛ぶ。

・・・ああ、焦げてはないみたい。
落ち着くために科学班に逃げ込んだけど・・・ここにいちゃダメだ。

驚いたようにあたしを見てくるコムイさんに向かって、叫んだ。


「も、り・・・森に、行ってきますっ!クレーターができたらごめんっ!!」

っていうか、地盤が倒れたらごめんなさいっ!


また同じように扉をバンっと開け放って、森に向かって走り出した。

心臓がうるさくてうるさくて仕方がない。
顔が凄く熱くて、たぶん真赤なんだろうと思う。

だって、凄く凄くうれしかった。

「はや、くっ」

早くしないとっ!

アレンに見つかる前に森に行って、なんとか落ち着かなくちゃ。
じゃないと、本当に誰かを傷つけちゃう。

あんな目で見られて、あたしもアレンが好きで、うれしくないわけがなくて。

でも、ダメ。
あのままだったら、あたし、アレンを、傷つけちゃう。


「いそげっ!!」

ラビが驚いたようにあたしを見てたり、時々窓が割れてたりしたけど、かまってられなかった。

だって、急がないと。
割れた窓がもし、人の頭だったら?

神田は任務中だから、たぶん森で修行してるなんて人はいないはず・・・たぶん。


パンっとはじける音がした。


はやく、しないと。



「傷つけちゃう」

もう傷つけてしまってることには、あたしは気づかなかった。





暴走



( どうしよう、全身が心臓のようになり始めた )