「です。天使のような頬笑みの監督ににっこり笑顔で言ったトレセンの翼先輩が見れるという甘い誘惑に抵抗できずに連行されました」 「!?」 「翼先輩!やっぱりトレセンの翼先輩もとっても素敵です!」 綺麗な瞳を見開いて目の中いっぱいにあたしを映し出してる翼先輩に思いっきり笑顔で手を振った。 翼先輩の隣には、前戦った桜上水の風祭君と水野君がいた。 「・・・監督、彼女は・・・」 そう戸惑いながら言ったのは・・・えっと、確か武蔵森の渋沢キャプテンだ。 うん、GKの人だよね。 「彼女は。飛葉中のサッカー部のマネージャーよ。トレーナーの知識を持ってるから彼女にはサポーターをお願いしたのよ」 「・・・はい?さぽーたぁ?」 「・・・何でが一番不思議そうな顔してるんだよ・・・」 監督の言葉に首を傾げると、翼先輩が呆れたように言った。 いや、だって私トレセンの翼先輩が見れるってとこしか覚えてないですもん。 「貴方のその頑張りを私はとても高く評価してるわ」 「つ、つまりそれは、翼先輩のトレーナー兼奥様になってもいいっていう・・・!!」 「何でそうなるんだよ」 ベシっと翼先輩に頭を叩かれた。 うう・・・痛い・・・けど幸せ・・・。 「それに、貴方の性格はサポーターとしてとても優れてると思うわ」 「・・・監督・・・それ前にも言われましたけど、要するにあたしが馬鹿だから皆ああもうしょうがないなって気持ちになるってだけですよねぇ!?」 「事実を縮小して言っちゃダメよ」 「監督ぅうう!?!?」 き、傷ついた。 物凄く傷ついた・・・。 「つ、翼せんぱぁいい!!」 「はぁ・・・監督の遊びに本気になるなっての」 「あう・・・だってぇー・・・」 監督の笑顔の毒舌は、物凄く心に突き刺さるんですもん・・・!! むぎゅーって翼先輩の素敵な腕にしがみついたら、ぼろぼろ流れてる涙を拭ってくれた。 うう・・・格好いい。 「大丈夫よ。ちゃんは、ちゃんと貴方達にとってのサッカーを理解している子だから」 「・・・ふぇ?」 「ガキじゃないんだから一人で拭きなよね。ああもう、ほら、まだ涙ついてるからこっち向きなって」 なんか監督が言ってたけど、翼先輩が袖でゴシゴシ涙を拭いてくれるのが嬉しくて、全然聞いてなかった。 |