「ふぁ・・・うむー・・・。あー、よくねた」 「おはよう」 「はい、おはようございま・・・すーーーーーっ!?!?!?」 ちょ、ちょ、まっ!ちょ、まっ!?え、ちょ、えぇえ!? な、何であたしはさっき・・・いや、昨日まで追いかけっこしてたイルミの隣で寝てるんでしょうか。 答え、ここがイルミ君のお部屋だからです☆って、そんな都合の悪いことあるかこんちくしょうぅううっ!!! 「耳痛い・・・」 「え、あ、はい。すみません・・・」 って、何を謝ってほのぼの(一方的に)としてるんだ、あたしは。 この人昨日あたしを殺そうと追いかけまわしてたんだった!! 「うふ、うふふ・・・えへ」 そろり、そろりとイルミから離れる。 うん、やっぱり美少女でも美少年でもないし、特殊能力もないけど、やっぱり生きてたいっていうかね、うん。 死ぬのは怖・・・・・・。 「これで逃げ脚が早いのも意味ないよね」 「・・・ソウデスネ」 腰をガッシリとつかまれました。 これって普通の可愛い女の子だったら甘い雰囲気で、ちゅーとかされちゃったりするんだろうなぁ。 無理矢理奪われるらしいけど、もうちょっといろいろと惜しめよ、おいって思ってしまう。 やっぱりキスは奪われるより、奪いたい派っていうか。 「・・・妄想から帰ってきてもらえる」 「はい、すみません。ですので鋲を向けるのやめてください」 死にたくないです。 「ねぇ、何で俺とキルアの名前知ってるの?」 「へ?」 何でイルミとキルア限定? っていうか、あたし一度もイルミとキルアの名前を口に出した覚えがないんですけど。 「えっと、何の、こ」 「寝言でつぶやいてたんだけど」 さえぎるようにイルミが言う。 「え、えっと・・・神の啓示・・・かなぁ?」 「豹耳とか、猫耳とかも?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい」 こっそりとジリジリ逃げようとするけど、そのたびに引き寄せられる。 ああ、本当なら鼻血寸前の甘い時間のはずなのに、流れる空気は「殺してやる」って感じだもんなぁ・・・。 折角ベットに転がって腰を引きよせられてるんだから、もうちょっといろいろする隙があってもいいのに。 甘くない、雰囲気が全然甘くない。 「で、何で俺のなま、」 え、と続けようとした言葉は、爆発のように騒々しい扉を開ける音で遮られた。 はっと扉に目を向けると、そこには包帯で美しい顔を覆って、フリフリのドレスを着て、目にスコープをつけた帽子を被ったお方。 「イルミ、起き・・・んまぁーーーーーーーーーー!!!」 キキョウ、さん・・・。 |