「結婚式は和風にしましょうか!それとも洋風にしましょうか!ああ、やっぱり女の子の夢はウェディングドレスかしら!」 「・・・母さん」 「ドレスを新調しなくちゃ!あぁ!タキシードも新調しないといけないわね!」 「母さん!!」 「あら、どうしたの?イルミ」 ・・・おつかれさまです。 思わず隣にいたイルミの肩を叩いて言いそうになった(多分しても許されただろう)。 「ひとつ言っとくけど」 チラリとイルミがあたしを見て言った。 不法侵入の人間を捕獲しただけだって言われるんだろうなぁ・・・。 あぁ、心臓バクバクするし、胃がキリキリしはじめた・・・。 「何もしてないから」 「まぁ!イルミってば奥手なんだか、」 「って違ーーーーーーーーーーーーうっ!!!!!!!」 ちょっと待てっ!! ああもう、こんな叫んで会話なんて止めたら殺されるかもしれないけど、ああもう殺される運命ならもういっそのことだっ!! キョトンと見上げてくる二人に、あたしは椅子から立ち上がった。 もう死なばもろともってことで。 「イルミさん!そもそもそういう問題じゃないでしょうがっ!イルミさんが奥手だろうと不能だろうとどうでもいいっ!それと、キキョウさん!」 ビシっとキキョウさんに向かって指をさした。 あ、殺すときは拷問とかせずにさっくり殺してくれるとありがたいです。 「イルミさんとはそういうことは一切してないですからっ!結婚式もしませんので!ちゃんとイルミさんには、いつかキキョウさん好みの可愛い女の子との出会いがありますって!たぶん!!」 別の異世界トリップをする可愛い女の子とかね! あれだ、あたしの場合は物語にもならずに、第一話、主人公死亡とかになるんだよ。 いやいや、それはどうでもいい。 「そしてジルバさん!というわけですので、後ろで垂れ幕準備するのもやめてください!カルト君も手伝わない!っていうか、この状況でゲームするな、キルア君!あと、さっきからボリボリボリボリうるさい、ミルキ君!」 は、肺活量が・・・。 殺される前に酸欠で死にそう・・・。 「ちなみに!何であたしが皆さんの名前を知っているかというと、実はあたしは異世界の人間で、そこにはハンター×ハンターというこの世界をとある少年を主人公として描かれた物語があって、それが大好きなあたしは、便所に行こうとしたらイルミさんの部屋に入り込んじゃって、不法侵入としておっかけられてて逃げて、げほっ、げほっ・・・それでイルミさんの部屋に戻ってしまって、爆睡してたら隣でイルミさんがいて、腰を掴まれて捕まえられましたっ!」 うげほっ、ぐはっ・・・! 「ぜーはー・・・と、いうわけです・・・。ひょっとして殺さないよっていう出会った瞬間一目ぼれされるドリーム的展開があるかなーなんて思っちゃったんですけど、世の中そんなに甘くないみたいで、ものすごく殺されかけました。まぁ、でも、もう腹をくくるしかないわけで」 床に、ジャンプ正座をして、じっとイルミさんたちを見上げた。 うん、怖いけど、凄く凄く怖いけど・・・。 とりあえず、殺される覚悟はしました。 「できれば拷問じゃなくって、さっくり殺されるの希望です・・・」 手をついて、いわゆる土下座をした。 ・・・あの、何で静か? |