息を切らせて走った。 残念ながら体育系じゃないからそんなに早くは無いけど、人生でこれ以上にないってほどに走った。 実はまだまだ時間に余裕があったけど(それでも走った)、沢田君の家まで全力疾走をした。 角を曲がると、玄関で獄寺君たちと話している沢田君が見えた(い、た!)。 「さ、わだ・・・くん」 「――さん」 沢田君が息を飲んだ。 山本君が獄寺君を連れて、少し離れたところへと歩き出した。 「どうしたの?そんなに急い」 「好きです!」 沢田君の言葉を遮って(ああ、最後の聞くチャンスだっていうのに!)、あたしは叫んだ。 ひょっとしたら近所に響いてしまったかもしれないけど構うもんか! だって女の、最後のチャンスだこの野郎!!! 伝えるだけでいいから(だって断られたらヘコむ)と思って、あたしは後ろを向こ、 「俺も好きです」 向こ、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 「は?」 「だから、俺もさんのことが好きです」 ・・・・・・・すみません、叫んでも、いいですか? 「はぁああああああああ!?!?!?!?」 いや、ちょ、まっ!え、うぇえええ!? 「だから、ごめん。本当は、掻っ攫ってでも連れて行きたいんだけど」 えへ、と照れたように笑った(何か言葉は怖いよ、沢田君)。 「でも、本当に危ないことだらけだから、だから、ごめん」 ぎゅ、と沢田君があたしの手を握った(た、た、体温が・・・っ!)。 手を握ったまま、沢田君がつらそうに言う。 「連れて行くことも、手紙を送ることも、電話も出来ない」 ごめん。 そう言う沢田君にあたしは首を振った。 「重荷に、しないで。気にしないで!好きって、言ってくれただけ、で」 嬉しいんだから。 下唇を噛んだ。 嬉しいけど、凄く凄く哀しかった(でも、胸の重みはなくなった)。 「ありがとう、好きになってくれて」 頑張って、綺麗に笑った(綺麗かどうか、なんてわからないけど)。 笑え、笑え、あたし。 「元気で、ね」 「ありがとう」 沢田君に笑顔で言った。 「俺を、舐めるんじゃねぇぞ」 小さく、リボーン君の声が聞こえたような気がした。 |