鋭い目があたしを向いて、ぎろりと動く。

「誰が、誰から逃げるって?」

負けるな、あたし!


「貴方があたしからよ!決闘の申込はまだ続いてるんだから、背中を向けるなんて敵前逃亡よ!」
てっちゃんが隣りですごく慌てていたけど、気にしない。

ごめんね、てっちゃん。
女には戦わなくちゃいけない時があるのよ!


「雲雀恭弥!てっちゃんをかけて決闘よ!」

逃がすもんですか!
必ず貴方という悪からてっちゃんを救いだすんだから。

ぎらりと目を光らせた。


「別に、草壁はどうでもいいけど・・・そこまで言うなら咬み殺してあげるよ」
チャキリとトンファーが鳴る。


負けてたまるか・・・!



「い、委員長っ!」
箒を構えた瞬間、てっちゃんがあたしの前にでてきた。


「どいて、てっちゃん!あたしにはあの悪の帝王を始末する使命がっ」
バタバタ手を動かしてみるけど、てっちゃんはものともせずに雲雀恭弥に頭を下げていた。
もう、どいてったら!と叫んでも全然どいてくれない。

「一応女なので、」


いいから、
「どいてっての!」

「ぐあっ」
あ、思いっきり急所入ったかも。



雲雀恭弥が唖然とした顔であたしを見ていた。

ごめんね、てっちゃん。
「貴方のためなら貴方を傷つけることすら厭わないっ・・・!」

ああ、なんて可哀相なのてっちゃん・・・。
てっちゃんは地面に倒れてピクリとも動かない。



「さぁ、てっちゃんのために勝負よ!」
「ねぇ、君。矛盾って言葉知ってる・・・?」
ワオ!と言って、ピクピクしてるてっちゃんを見ていた雲雀恭弥が、まぁいいやとあたしを向いた。
ぎらりと目が光る。


てっちゃん、あたしはてっちゃんが濃い顔だろうとリーゼントだろうと草をくわえていようと、大好きだからね!
だから、あたしが目の前の悪の帝王雲雀恭弥から救い出してあげる。


そう、てっちゃんは今現在あたしのお姫様。
英語にするとマイプリンセス!

・・・は、ちょっとどころか、すごくすごーく変だけど。


とにかく!あたしにはきっと出来ないことなんてないと信じて、助けるからね、てっちゃん。

「愛のために、あたしはてっちゃんを救い出すわ!」





それは全て愛のために



( は?何?ここじゃ窓が割れたりしたらいけないから屋上に移動する? )