「・・・で、何で俺はここにいるんですか」 ちょっとなきそうな目をしているのは、2年生の沢田綱吉君。 ――と、獄寺隼人君に山本武君に、あとリボーン君がいた。 「酷いわ!綱吉君。『俺、先輩のためだったら何でもしますよ!』って夕陽をバックに親指立ててニカって笑っていってくれたじゃない!」 「全くもって記憶にないですよ!!」 しかも誰ですかそれ!と綱吉君の壮絶な突っ込みが入った。 相変わらず突っ込みは一級品だ。 「言うこと聞いてくれないんだったら、服破いて綱吉君が襲ったーって泣き出すんだから!」 校庭の真ん中で!というと綱吉君の顔がさぁっと青ざめた。 「わ、わかりました!」 慌てながら言う綱吉君に、あたしは良しと頷いた。 ちなみに、綱吉君はちょうど屋上で話をしていて、無理矢理審判役を頼んだのだ。 綱吉君が頼まれたら断れない性格でよかった。 「さぁ、勝負よ!雲雀恭弥!」 トンファーを構える雲雀恭弥に指をさした。 リボーン君の持っているマラソン用のピストルがパァンと鳴った。 「第一回戦は、どれだけてっちゃんを愛しているかよ!」 思いっきりぶっ倒れた。 あたしとリボーン君と雲雀恭弥と気絶中のてっちゃんを除いた(といっても3人だけど)が思いっきり転んだ。 何、コントじゃないんだから。 「・・・とりあえず、戦う前に是非とも解いておきたい誤解があるんだけど」 はぁあああと長いため息を吐いた雲雀恭弥が、あたしを睨んだ。 「何?」 箒をぎゅっと握って睨むと、雲雀恭弥が呆れたように言った。 「別に僕は草壁が便利だから使ってるだけなんだけど」 何誤解してるの。と雲雀恭弥がまた溜息を吐いた。 だ、騙されないんだから! 便利って、そりゃてっちゃんは料理だろうと掃除だろうと洗濯だろうと何だってできるけど。 「その女っぽい顔使っててっちゃんを誘惑したんでしょ!いやっ、汚らわしい!」 だめだめだめ!こんなやつにてっちゃんを渡してなるものですか! あたしは精一杯の殺気を持って、雲雀恭弥を睨んだ。 「てっちゃんに何をする気なのよ!この変態!」 てっちゃんの貞操は渡さないんだからっていうか、あたしが予約済み(了承無し)なんだからね! 気絶してるてっちゃんを見た。 安心して、てっちゃんの貞操はあたしが護るからね! 「とりあえず、殺す・・・」 遠くで綱吉君が、「雲雀さん!咬みがありません!」と叫んでいた。 向かってくる雲雀恭弥にあたしは箒を構えた。 |