「何委員長を睨んでいるんだ」 キリっとした顔で言うてっちゃんに、あたしは下唇を噛んだ。 悔しい。 あたしてっちゃんのこと、本当に大好きなのに! 「てっちゃん〜」 なきつくと、てっちゃんの大きな手があたしの頭を撫でた。 そんなあたしとてっちゃんを見て、雲雀恭弥がまた大きな溜息を吐いた。 「ねぇ、さん。君が思ってることは100%誤解だから。っていうかそんなに不安ならさっさと予約でもなんでもしておけば」 という言葉に、あたしはふと思い至った。 「てっちゃん・・・風紀をやめる気はないんだよね」 「勿論だ」 諦めろ、という目つきで言うてっちゃんに、あたしはうんと頷いた。 「じゃあ、お願い聞いて?」 腕を組んでズズイっと近寄ると、てっちゃんはちょっと引いた。 でも、負けるもんか、とあたしはてっちゃんの目を見つめた。 「ん、ま、まぁいいが・・・」 渋々とてっちゃんは頷いた。 ふふふふふ(にやーり)。 「てっちゃん、もうしないから、またお部屋に遊びに行ってもいい?」 「あ、ああ」 純粋のフリして、目を涙でぬらしておくことは忘れない。 そうすると、てっちゃんはちょっと罪悪感みたいな顔で頷いてくれた。 「お菓子作ってもっていてもいい?」 「ああ」 頷くてっちゃんを見て、雲雀恭弥が溜息を吐いた。 む、鋭い男ってこれだから! 「嫌いにならない?話すななんていわない?」 「ああ、勿論だ」 ふっと笑ったてっちゃんに、あたしはさらに言葉を連ねた。 「てっちゃんの貞操くれる?」 「ああ・・・あ?」 ピタリ、とてっちゃんが止まった。 うふふふふふ、男に二言なんてないよね、てっちゃん。 するとパチパチと手を叩く音がして、振り返ると雲雀恭弥が手を叩いていた。 「おめでとう。特別群れてもいいから誤解解いてくれる?」 「もちろん!ありがとう雲雀恭弥!」 これでてっちゃんの貞操ゲットだわ! 思いっきりあたしは拳を握った。 |