食べ終わったお弁当の紐をもってグルグル回しながら応接室まで歩いていくと、入口にリーゼントのお兄さんが立っていた。 「こんにちはー」 リーゼントで学ランの人って、確か恭弥君と同じ風紀委員の人だったよね、と思って頭を下げると、変な顔をされた。 この顔、どこかで見たことある気がするな。 ボンヤリとリーゼントの人を眺めていると、何してるの、と恭弥君の声が聞こえた。 入口の方を見ると、入口から出てきてる恭弥君がいた。 「何草壁の顔見つめてるの」 「あー、草壁君か」 どっかで見たと思ったら、休日に恭弥君の所に報告みたいなのに来てた人だと思って納得した。 「ねぇ、なんでリーゼントなの?」 「どうでもいいからさっさと入りなよ、馬鹿」 草壁君にリーゼントなんて古風なものをしてる理由を聞こうとしたら、恭弥君に引っ張られた。 あれって、解いたら長いのかなぁ・・・。 「で、一体どうしたの」 ドーンとソファに偉そうに座る恭弥君の前で、あたしはソファに座った。 どうしたのって言われても、なにが何だかわからないんだけど・・・。 「昼休憩」 溜息を吐いて恭弥君が言った。 「昼休憩・・・?」 「ご飯、一人になったんでしょ?」 ああ、そのことか。 気にしてくれてたんだ、やっぱり恭弥君は優しいし、あたしのヒーローさんだなぁと思ってると、で、どうなの?と恭弥君が言った。 「えっと、屋上で沢田君たちと食べたよ」 「・・・沢田くん・・・あの、沢田綱吉のこと?」 沢田綱吉・・・そういえば、フルネームはそんな名前だったはず。 頷くと、恭弥君が目を見開いた(何なんだろう、一体)。 「ワォ!屋上で群れてたとはね・・・」 「きょ、恭弥君、咬み殺しちゃだめだよ?」 折角一緒に食べてくれたのに、それに普通に過ごしてるだけなんだから。 そう言うと、恭弥君は少し苦笑した。 「別に咬み殺さないよ。僕は赤ん坊に用があるのさ」 赤ん坊・・・赤ん坊・・・そういえば恭弥君って小動物好きだもんね。 沢田君の知り合いの赤ん坊が可愛いのかな。 「言っとくけど、が考えてるような理由じゃないからね」 どんな赤ん坊なんだろう、と考えてると恭弥君に一刀両断された。 「明日はどこで食べようかなー」 流石に二日続けては沢田君たちも迷惑だよねぇと思ってると、恭弥君が「」とあたしの名前を呼んだ 「明日からはここで食べなよ」 「いいの?」 邪魔になっちゃうよ?というと恭弥君が少し笑った(恭弥君の笑顔は凄く可愛い!)。 「静かにしてれば邪魔にならないよ」 それから、あたしは応接室で食べるようになりましたとさ。 |