「あー・・・何だか怒涛の一日だったな」

綱吉はパジャマに着替えた後、倒れこむようにベットに沈んだ。
なんと言っても、突然20年後の自分の娘、という女の子が現れたのだから(しかも母親は黙秘されたし)。
それに、バズーカの故障のためか、5日も一緒にいるという。

将来、に生まれる娘が。


「あー、もうっ!わけわかんないよ!」

例えば娘が生まれた後にこの状態になったらまだ対応できる・・・気がする。
けれど、その自分の娘だという女の子は自分と同年齢なのだ。
考えているうちに、さらに気分が重たくなって、綱吉は溜息を吐いた。


「お父様」
と、同時に突然ドアの向こうから声が聞こえて、綱吉は勢いよく体を持ち上げた。

・・・?」
入っていい?と小さく聞かれ、綱吉が返事をすると、扉が開いた。
「どうしたの?」
こんな時間に、というとは俯きながら答えた。


「・・・一緒に、寝てもいい?」

「・・・・・・・・・・・・・・・は、はぁああ!?」
の言葉に、綱吉は夜のためか小声で叫んだ。

「お父様とはあんまり会えないから・・・」
駄目なら、いいんだけど。と口を噤んだに、綱吉は大きく溜息を吐いて隣へと招きいれた(何故かドキドキはしなかった)。




僅かな灯りの室内で、ぼんやりと天井を見上げながら、綱吉がに向かって聞く。
「ねぇ、。・・・あー・・・名前とか言わなくていいからさ、の母さんってどんな人?」
まぁ、一応俺の奥さん、になる人なんだけど・・・と綱吉は言葉を濁らせる。
そんな綱吉に、も天井を向きながら答えた。

「・・・お母様は、優しくて強くて、可愛い人なの。本当はお父様と一緒にいたいんだろうけど、一言も言わないで笑ってるんだ」
ボンヤリと、遠くを見つめながら言うの言葉を、綱吉はただ黙って聞いていた。

「お父様はいつも頑張ってるの。一月に1回くらいしかあえないけど・・・」
でも、高校卒業したらイタリアに渡るんだ、とは楽しそうに言った。
それからね、とまた口を開く。

「お父様とお母様は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
二人は、とが口を閉じた。
それに不信を感じた綱吉が「どうしたの?」と声をかけると、の顔がどんどんゆがんでいく。


「万年万年、新婚ですか!っていうか、まだ恋人気分ですかってくらいにイチャイチャイチャイチャ、隙があれば押し倒してるしっ!弟妹が出来ないのが不思議なくらいなんだからっ!」


反省してるの!?お父様!



といわれて、綱吉は覚えのない(これから先のこと)に対してごめん・・・と謝った。
反省というよりも、気迫に怯えた、というほうが正しい。


「でもね」
ふと、今までの雰囲気を緩和するように、はまた遠くを見るような目で呟いた。

「お母様もおばあ様も、ボンゴレの皆も、ディーノさんたちも、皆会いにきてくれて・・・幸せだから」
ね?と首をかしげながらこちらを見るに、綱吉は覚えておくと笑った。





幸せですか、未来の愛娘



( いつだって空を見上げればお父様に包まれているから、大丈夫 )