今日もお父様の家は大賑わいだった(向こう(未来)もそうなのかなぁと思ったり)。

でも、その中にあの人はいなかった。




、どうかしたの?」

お父様が目の前にやってきて首を傾げた。
ボンヤリして会話に加わろうとしてなかったから心配かけちゃったのかな。

「ううん、なんでもない。・・・そういえばお父様、えっと、あの人、は?」
「え?」

「あの、骸さん、は?」
「――ああ!・・・あいつ気分屋だからなぁ・・・多分来るとは思うんだけど。電話してくるから待ってて」

「え」

別に来てほしいって言ってはないんだけど・・・。
いや、うん、本当は来てほしいけど。
一人納得したように頷きながら、電話をかけるためにお父様が外に出て行った。


「ツナさん!携帯さっき出しておいたままですよ!」
さらに、携帯を忘れていた(多分持ってると思ってたんだろう)お父様のために、お母様が走っていく。
そういえば、このころはお母様がお父様を追いかけてたって言ってたなぁ・・・今じゃあ、あれなのに・・・ふっ。


「繋がったよ」

「へぁ!?」


び、びっくりしたぁ・・・。
ボンヤリと未来のお父様とお母様について考えてたら、いつのまにかお父様が後ろで携帯を持ってニッコリと笑っていた。


「今から来るっていうか、近くに来てるらしいよ。もうすぐつ、」


ピンポーン。
言い終わる前にチャイムが鳴った。


ゾクン、と少しだけ背筋が震えた。
同じ超直感があっても、お父様は慣れてるのかもう震えることはないらしい(って未来のお父様が言ってた)。

でも、何だかそれって、もったいない。
近くに来たらすぐわかるってその感覚を、無くしてしまうのは(多分そう思うのはあたしだけだろうけど)。




「こんにちは、綱吉君、。呼んでくださったので来てみましたよ」
ゆっくりと骸さんの口端が上がる。

なんだか、この人は一つ一つの動きが、とても、なんだか・・・エロいって思う。
そう思うのもやっぱりあたしだけなのかな・・・。


「それで、どうしたんですか?
僕に何か用でも?
そう首を傾げる骸さんに、あたしは一つ深呼吸をした。

落ち着け、落ち着くんだ、あたし。


「あの、骸さん!」
「はい?」
笑顔のまま骸さんが小首を傾げた。


「あたしと、お話してくれませんか」
心臓、壊れるかも。





鳴り響け、我が心臓



( 壊れるくらいに鳴り響いて、そうして永遠に刻みつづけよ )