「はひ・・・。ちゃん大丈夫でしょうか・・・」

眉間に皺を寄せて心配そうに見あげて、今にも駆け出しそうなハルに制止を加えて、俺は一つ溜息を吐いた。


ああ、本当俺って損な性格。
なんでこんな天然な人たちばっかりなんだろう、と俺はハルたちを見て思った。

せめて、色々鋭い雲雀さんとか、リボーンとかがいてくれれば・・・って、いたって言わないからなぁ、あの二人。
雲雀さんは他人のことなんてどうでもいいし、リボーンは面白がって言わないし。

結局、誰が居ても駄目だった・・・。




どうかしたんですか?」
骸が首を傾げた。

お前のせいだよ、お前の。
ちょっとだけそんな思いを込めてにっこり笑うと、骸が若干ビクリと震えた。
そうだ、たしか俺のこの笑い方、お前苦手だったんだよな。


「あの・・・綱吉君?」
「何?骸」

「何を・・・怒ってるんですか?」


ちょっと気まずそうに言う骸に、俺はニッコリと笑う(あ、さらに震えた)。
「怒ってなんかないよ。ただ・・・鈍いのもいい加減にしとけ?」
否定はさせない。

ああ、俺ってすごく根性がついたんだなぁって思うよ。
本当、今まで色々あったからさぁ・・・(遠い目)。



「ツ、ツナさん?」

ハルの声に、はとトリップしていた頭をもとに戻して、骸を見る。


「あのな、いいか?骸」
「は、はぁ・・・」
きょとんと(あの昔の冷酷っぷりは仕事以外では一体どこへいったのやら)見あげてくる骸に、一つ溜息を吐いた。


はお前が好きなんだよ」
恋愛感情な?わかる?わかったな?よし、わかったなら先に進むからな。

「で、そこに可愛くてスタイルのいい骸と親しい髑髏がやってくる」
そう、しかもその二人はかなり親しげにしちゃってる。

「え?あの、綱吉君・・・さっぱりなんですが」
頭の処理速度が追いつかないらしい。
ああ、もう、本当にそういう育ちのせいかもしれないけど、好意にすごく鈍いなぁ。


「いいから黙って聞いとけ?」
にっこりと最大の笑顔で笑うと、骸がビクリと震えて頷いた。


本当、俺ってすごく根性とか色んなのが身についたんだなぁ・・・。


「骸と髑髏を恋人だと勘違いして、が落ち込んでるんだよ」
だから、ビシリと人差し指を立てた。

「骸が取るべき行動は一つ」

そのまま、ゆっくりと階上のがいるであろう俺の部屋を指して、俺はもう一度笑顔で笑った。



「誤解、解いてこい?」
骸がゆるゆると戸惑いながら頷いた。





遠い未来産まれる君のために



( ちょっと人肌脱ぐよ、というわけでさぁ、行ってこい? )