「え、温水プール?」
「そう。妊婦さんだってね、運動しないのはいけないんだよ?だから皆で屋内の温水プールに入らない?」
突然やってきたあたしに、きょとんとした顔の綱吉君が言う。

いいでしょ?と首を傾げると、それもそうだよねって綱吉君が頷いた。
その後ハルとビアンキと合流して更衣室に向かった。


「まだ、お腹は脹らんでいないのね」
楽しみすぎて早々に着替え始めたあたしを見て、ビアンキが言った。
「うん。お腹が脹らむのは5ヶ月からなんだって」
お腹を撫でながら言うと、ハルがはひーっと納得したように言った。

さんがお腹大きくなったら倒れちゃいますよ!?」
「お母さんは倒れないように出来てるの」
不思議なことにね、と笑うとビアンキとハルが納得したように頷いた。

着替え終わった後外に出ようとしたら「水辺は滑るから気をつけるのよ」といってくれるビアンキに微笑んで、あたしはゆっくりと歩き出した。
向こうからは着替え終わった恭弥君たちが出てきて、大きく手を振った。


「わー、恭弥君格好いい!」
、転ぶから」
ブンブン手を振っていると、何時の間にか近くにやってきていた恭弥君に手を止められた。

ぞろぞろと皆もやってくる。
「転ばないよ。だってお母さんだもん」
えへーと笑うと、恭弥君が小さく「馬鹿」と呟いた。


「まだ、腹は脹らんでねぇんだな」
「ぶっ!」
あたしはついつい隼人君の言葉に噴出してしまった。

「な、なんだよ」
と、隼人君がうろたえていたけど、笑いが止まらない(後ろでビアンキがちょっと気まずそうにしていた)。
「だって、姉弟なんだなぁって。聞き方似てるし」
かわいーというと、隼人君は照れたように「うるせぇ」と言って顔を逸らした。

あー、なんでボンゴレはこんなに可愛い人ばっかりなんだろう。



皆を見てニコニコ笑う綱吉君を見て、は、とあたしはハルの方を振り返った。
「ほら、綱吉君、ハル可愛いでしょう?」
ズイっと一緒にクスクスと笑っていたハルを押し出した(ちなみに、ハルはおそろいの黒の水着を着ている)。

「は、はひ!?さん!?」
「そういえばハルってスタイルいいよねー。胸大きいし(ボソリ)」
腰細いし、足長いし、可愛いし、うらやましい限りだよ、本当に。


綱吉君とハルは片思いの両思い、という奴で、じれったいことこの上ない(何せリボーン君も舌打ちするくらいだ)。
ぎゅーっと抱きついて、その素敵な感触を味わっていると、あたしはふとひらめいた。


「ひょっとして、胸の上に物置けるんじゃないの?」
ボタンとか指輪とか小さなものならさ。

「お、置けませんよっ!」
真っ赤になるハルの向こうで綱吉君が同じく真っ赤な顔をしていた(可愛いなぁ)。


何を想像したのかね、青少年よ(あっはっは)。





だってお母さんだもの



( まるで子どもがたくさんいるみたいだ! )