「おはよう、綱吉君!」
「おはよう、。妊婦なんだから走っちゃ駄目だよ?」
ニコリと微笑む綱吉君に、ありがとうと言ってからあたしは紙を差し出した。

「これ、みんなから」
きょとんとした顔でそれを受け取った綱吉君は、その紙を開いた。

「は、はあああああああ!?」
数秒後、ドン・ボンゴレの叫び声が鳴り響いた。



『ハルは預かった!12時までに取り返しに来ないと、何をしちゃうかわからないぞ☆』



以下、色々説明が並んでる。

・・・一体何の遊び?」
打って変わって冷静になった綱吉君が大きく溜息を吐いた。
ちっちっち、甘いですな、綱吉君。

「これは遊びなんかじゃないよ」
「へ?」
あたしは真剣に綱吉君を見つめた。
これが、学生の時の話だったら、遊びで済ませたかもしれない。

「綱吉君は、言わなくてもいいの?あたしたちが生きてるのは、平凡な並盛じゃなくて、抗争が起きるかもしれないイタリアなんだよ?」
俯いて、綱吉君が黙り込んだ。
だって、それは本当のことで、逃げることなんて出来ないんだよ、綱吉君。

「今いえるなら、今言わなきゃ。大切なものを後回しにして、後で後悔なんて寂しすぎるよ」
ハルも綱吉君も、明日だっていいやっていう生半可な世界にいるんじゃないでしょう?

なら、今の気持ちを大切にしよう。


「それに!今日言わなかったら、骸君がハルを誘惑するんだからね!!」
いいの!?それで!
きっと骸君は誘惑上手だから、一気にハルを落としちゃうんだからね。
ゆっくりと綱吉君の顔が上がった。

「骸君テクとかは異様にあるらしいからね!」
ああ、もうじれったい!


キっとあたしは綱吉君を睨んだ。
「ハルの貞操が奪われたって知らないんだから!」
何だか方向がおかしくなってきたぞ!
いや、うん、まぁ気にしたりなんてしない。



「・・・ハルの居場所は・・・?」
ポツリと、綱吉君が聞いた。

あたしはゆっくりと息を吐いて頷いた。
「最初のキーワードは『き』だよ」
12時まで、あともう2時間しかない。

「次は恭弥君が知ってる」
たくさん仲間を失ってきたあたしたちだから、後悔と言わないままのさよならは嫌なんだよ、綱吉君。


、行ってきます」
「いってらっしゃい!」





そうして彼は走り出した



( 何を言えばいいかとか、そんなことはまだ分からないけれど、でも、俺は )