「きょ、うやさんっ!」 バンっと綱吉が扉を開けると、中には優雅に紅茶を呑む恭弥がいた。 カチャリ、と紅茶が机の上に置かれる。 「お疲れ様、綱吉」 すっと、細長い目が綱吉を見る。 それに僅かに綱吉は苦笑して、半ば焦るように彼に近寄った。 「あの、恭弥さん・・・キーワード、知ってるんですよね?」 「もちろん。・・・言って欲しい?」 「――はい!」 真っ直ぐ見つめてくる綱吉の視線に、恭弥は口端を吊り上げた。 「いいよ、教えてあげる。一番最後のキーワードは『や』だよ」 「や?一番最後って・・・一体何文字あるんですか?」 がくりと項垂れた綱吉に、恭弥は楽しそうに笑う。 「それを考えるのも君の試練だよ。で、次は獄寺のところだよ」 いってらっしゃい、と再び紅茶の方に顔を向けてしまった恭弥に「いってきます!」と叫んでから、綱吉は走り始めた。 「隼人っ!」 バンっと思い切り扉を開いた先には、土下座をする隼人の姿があった。 「す、すみません十代目っ!」 「隼人、いいから早くキーワー」 「本当にすみません十代目っ!」 ボロボロと涙を流す隼人の肩を綱吉はそっと掴んだ。 それから、にっこりと微笑む。 「いいから早くキーワード答えないと・・・右腕から降ろすよ?」 「キーワードは『へ』っす!間のどこに入るかは、俺もしらないんです・・・」 0.001秒、清々しいほどの即答だった。 すみません、とまた謝り始めた隼人から、同じように脅しをかけ、次の人を聞いた。 「つ、次は山本です。頑張ってください、十代目!」 応援してます!と拳を握る隼人に、綱吉はニッコリと笑って走りだした。 「いってきます!」 「おー、ツナお疲れ」 ニカっと笑う武に苦笑して、綱吉は首のネクタイを緩めた(リボーンに見られたら怒られそうな気がしたが、そんなものは無視をした)。 「で、キーワードは?」 「『み』だぜ。最後のキーワードは髑髏」 ヒント言ったって内緒な?と苦笑する武に笑みを返して、綱吉はまた走り出した。 最後のキーワード、5文字目のキーワードを持つ髑髏のところへ。 「ボス・・・大丈夫?」 ただでさえ広いボンゴレ内を全力疾走であちらこちらへと走ったせいか、かなり乱れた息をする綱吉に、髑髏が気遣うように聞いた。 「ど、くろ・・・キーワード、は?」 深呼吸をして息を整える綱吉を、髑髏が真っ直ぐに見つめる。 「最後は、『の』よ、ボス。」 さぁ、導かれる答えは? |