「ちゃん、一緒に並中に行きませんか!?」 突然、眼前に現れたハルに、あたしは目を見開いた。 えっと、並中? グルグルと頭の中の記憶から引っ張りだして、わりと新しいところにあったそれを取り出す。 「ああ、「ツナさん」がいるところ?」 「そうです!ぴったりナイスです!」 パンっと手を叩いて嬉しそうに言うハルに、あたしは口元が綻んだ。 本当、「ツナさん」を語るときには幸せそうな顔をするなぁ・・・。 「でも、なんであたしまで?」 いっつも一人で行ってるのに。そう思っていうと、ハルは少し照れたように笑った。 「ハルの大好きなお友達をツナさんに紹介したいんです!」 あ、やばい。凄い、いまキュンって来た。 ハルには全然そんなつもりもなんにもないんだけど頬を染められて笑われると・・・。 やばい、キュンってきた、うん。 「そ、っか」 えへへーと笑うハルにあたしはうんと頷いた。 「さ、こっちが並中ですよ!ちゃん!」 手を引っ張られて、走るハルと一緒に走って並中までやってきた。 ニコニコ笑うハルは可愛い、本当に可愛い。 「あ!」 ハルがぎゅっと一層強く手を握った。ピタリと足が止まるから、あたしも足が止まる。 ぱぁっと笑顔が輝いて(凄く凄く綺麗)。 「ツナさーーーん!」 叫んだ先には、茶髪の髪の男の子と、黒髪の男の子と、銀髪の男の子がいた。 茶髪の男の子が「ツナさん」なんだと思う(茶髪の男の子だって聞いてたから)。 ハルの一時間に近いような毎日の会話から確認して、確かにやさしそうな少年に目を向ける。 「ツナさん!この人がハルのお友達のちゃんです」 「どうも」 ペコっと頭を下げておいた。 「初めまして、沢田綱吉です」 「俺は山本武!よろしくな」 「・・・獄寺隼人だ」 それぞれ挨拶する名前を頭の中で復唱した。 ハルが沢田君たちに向かってにっこりと微笑んだ。 「ちゃんは、ハルの一番大好きなお友達なんですよ!」 「ハルっ!あたしも大好きー!」 友人として飛びつくと、ハルも抱きしめ返してくれた。 きゃーっと楽しそうに笑うハルを、沢田君が柔らかい笑みで見ていた。 チクリと胸が痛んで、ぎゅっとハルの体を抱きしめた。 |