「・・・くさかべのどあほぅううう!!!」 「ぐふぉぁあああ!!」 あたしはぐずっと鼻を啜った。 「どーしよう・・・。ああ!本当にどうしよう!恭弥さんに暴言吐いて逃げちゃったよっ!」 あーうー、本当にどうしようっ! 「別に、いつものことじゃないか・・」 真っ青な顔をした草壁が言った。 「もう、いい加減愛想も尽かされたよね・・・家に帰ったら婚約解消されてたりして・・・」 そんでそんで、もっと美人でスタイル良くて、ボッキュンボンの色気たっぷりの女と婚約してたら・・・。 あたし、その人をただじゃすまさないかも知れない・・・。 「黒いオーラが出ているぞ、。ひとまず落ち着け」 はぁ、と溜息を吐いた草壁が、あたしに飲み物をくれた。 「くさかべ・・・」 「第一、この程度で尽かされる愛想なら、すでに尽かされているだろう。何せ、委員長だからな」 だから大丈夫だ、と草壁が言った。 「草壁、お前凄く良い忠犬だったんだね・・・。ラリアットして、ごめんね・・・」 「未だに首がギシギシ言っているがな・・・」 真っ青な顔で目を逸らされた。 まぁ、つまり草壁へと責任転嫁して、思いっきりラリアットを食らわせてしまって泡を吹かせてしまったわけで。 本当にごめん(今冷静になったよ)。 「それはともかく、委員長はお前を婚約者から外すつもりはない。だから安心しろ」 「一体、その根拠はどこから・・・」 当然のことのように言う草壁に、あたしは浮かんでいた涙を拭った。 「委員長は、将来自分の伴侶になるのだからもっと賢くなれと言ったのだろう?」 「そうだよ。あたしが救いようもないほどに阿呆だから・・・」 「落ち込むな!まったく。つまりはだな、もっと賢く聡明な人を選ぶのではなく、、お前に賢くなれと言ったんだ」 意味がわかるか?といわれたけど、正直まったく分かりません。 そんな難しい言い方しなくたっていいのに。 「で?」 「つまり婚約者を以外にする気がないということだ」 今度は単純。 そういえば、確かに「何で君みたいなのが婚約者なの」とか「君以外のもっと賢い子が婚約者なら良かったよ」みたいなことは言われたことがない・・・。 「草壁、あんた本当に良い忠犬なんだね。誉めて使わそう」 「、お前は俺に感謝したいのか、馬鹿にしたいのか」 もちろん感謝したいに決まってるじゃないですか、草壁。 スッキリとした心持で上を見上げると、屋上に一人の少年の姿があった。 「それじゃあ、あたしちょっと屋上に行って来るね」 立ち上がると、草壁が不思議そうな顔をした。 「仲良しの屋上友達の恋愛相談に乗ってあげるの」 |