「はさ、骸のことが好きだと思うんだよ」 突然家に引っ張り込んだ綱吉は目の前で訝しげな顔をしている骸に言った。 「は?」 「声が好きとか言ってるけど、なんか違う気がするし。骸もさ、結構のこと気に入ってるよね」 「それは僕が、」 「サービス精神旺盛なイタリア紳士だから?」 先回りされた言葉に、骸は拗ねたような顔をした。 そんな骸に少しだけ笑って、それから天を仰いだ。 「骸ってさ結構優しいよね」 「それは貶されているととればいいのでしょうか、それとも純粋に言ってるんですか」 勿論後者に決まってるって、と笑えば白々しい!と言われた。 えー?と綱吉は不可解そうな顔をしていたけれど、また表情を元に戻した。 「じゃあノートパソコン壊せばよかったのに。っていうか録音しなきゃ良かったのに」 「・・・」 ニコリと笑うと、骸が口を噤んだ。 やっぱりなぁ、とこそりと笑う。 「のこと、気に入ってるなら少し考えてあげてよ」 「君には関係ないと思いますが・・・」 「うん、そうだよね。俺おせっかいだから」 嫌味を言うように言った骸に、綱吉は笑顔で返す。 それに、幸か不幸か骸は反論することは出来なかった。 「骸ってさ、結構のこと嫌いじゃないだろ」 綱吉の言葉に骸は答えを返そうとしなかった。 けれど、全部分かってるみたいに、綱吉がニッコリと笑う。 ああ、だからこの笑顔は嫌いなんだ、と内心骸は呟いた。 そんなに、全部を見透かすような目をしなくてもいいのに。 「結構疎遠してたけど、は大切な幼馴染だからさ」 ほら、やっぱり幸せになってほしいでしょ? そう言う綱吉を、骸はただ見つづけた。 「俺はさ、骸も大切だから」 卑怯だ、と思う。 本当に、そんな顔をされて言われたら、反論できないじゃないかと叫びたくなる。 綱吉はにっこりと笑って、骸に言った。 「骸にも幸せになってほしいし。にも幸せになってほしい」 俺欲張りだから、両方願っちゃうんだ。 笑顔で言う綱吉に、ああくそ!と内心叫んだ。 |