「か、看病って・・・!」 「夜天先生が、まともな状態じゃないだろうからって。はい、お薬」 「あ、サンキュ・・・じゃなくて、おまっ」 はい、っとお薬を渡すと一瞬そっちに意識が行くけど、すぐに怒ったような表情でこっちを見た。 「あのな!わかってんのか!?ここは、俺の家なんだぞ!?」 「わかってるよ」 「・・・わかってねぇだろ・・・」 げほ、っと小さく咳をしながら、星野先生が呆れたように言う。 「・・・俺は、男なんだぞ?」 「うん」 「それで、は子どもっていっても、女なの」 「うん」 上半身だけ起き上がってまるで小さな子どもを怒るような、そんな表情で言う星野先生に、あたしは頷いた。 そんなこと、全部知ってる。 「俺だって男なんだから、何があるか、」 「先生、好き」 わからないんだから、と言おうとしたんだろう、その星野先生の言葉を遮って言った。 見開く目を、じっと見つめて。 「・・・」 「何があっても・・・ううん、その何か、をしてほしい」 「っ!・・・俺はもうだいぶんおっさんなんだぞ?もっと、同年代の、」 「そんなこと聞いてないよ。あたしは、星野先生が好き。・・・星野先生は?」 ぎゅ、と星野先生の胸板に体をくっつけるようにして抱きついた。 ぎゅうっと胸を押し付けて、歳の差とか、そんなもの忘れてもらえるように、必死で女をアピールした。 だって、本当にあたし、星野先生が好き。 錯覚なんかじゃなく、本当に、本当に。 「歳が離れてるとか、そんなことで逃げないで。星野先生が好き。それに、どう思ってるかだけ・・・星野先生の、気持ちが聞きたいの」 大人だからとか、歳が離れてるからとか。 そんなこと関係ないよ。 そんなこと、関係なくなるために、必死に努力してきた。 「好き」 「っ―――!!くそっ!」 もう一度、繰り返すように告げた途端に、一気に視界が反転して。 背中にベッドの柔らかい感触と、頭の横に星野先生の腕、そうして目の前には天井を背中に向けた、星野先生。 「・・・移ったらごめんな」 まるで息なんてさせてもらえないほどの勢いで噛みついてきた唇に、あたしはゆっくりと星野先生の首の後ろに腕を回した。 |