テレビを点けると丁度スポーツ番組で、しかも越前リョーマ選手特集!みたいなのをやってた。 本人横にいるけど、こういうのって本人がインタビューとか番組のゲストだったりしないのかなぁ。 あ、でもリョーマくんテレビあんまり好きじゃないって言ってたけど。 「リョーマくん、番組かえる?」 「別にが見たいなら、これでいいよ」 「・・・うーん」 リョーマくんの横でリョーマくんの特集を見るっていうのもなんか変な気分だし、番組かえよう。 ぽちっと押して番組を回しながら、適当なので止める。 「・・・見ないんだ」 「うん。だって私、テニス興味ないし」 リョーマくんのこと見たいなぁとは思うんだけど、正直テニスには興味ないんだよね。 だからリョーマくんの試合を見ることはあっても、内容なんてよく分かってないし、雰囲気でリョーマくんが勝ったんだなーって喜ぶだけだ。 だからツイなんちゃらサーブとかっていう技の名前?が出てきても正直よくわかんないし。 ああでも、リョーマくんの映像は一杯出てたのかな・・・。 「くっ・・・随分はっきり言うじゃん」 「嫌いってわけじゃないし、嫌いになるほど興味がわかないっていうか・・・でもそれって人として当然でしょ?別にテニスを馬鹿にしてるわけでも、リョーマくんを馬鹿にしてるわけでもないもん」 そりゃ人を貶す言葉になるんだったら言ったりしないけど、興味が湧かないっていうのは純然たる事実ってやつでしかないと思うし。 「まぁね」 「ね?」 楽しそうに笑みを浮かべるリョーマくんに、私は頷き返す。 人間の趣味趣向って犯罪とか人に迷惑をかけない限り自由だと思うし・・・まあ、それが受け入れられるかどうかは別として。 「―――そういえば、思ったんだけど、リョーマくんって結婚して大丈夫なの?」 「ん?何、今更」 「今更って・・・だって、ほらリョーマくんって女の子の人気凄いし。結婚したらイメージダウンとか、それで広告的にどうとかあるんじゃないの?」 プロって製品の広告だとか、そういう的なものもあるらしいし。 だったら、特に美形テニスプレイヤーみたいな感じで売り出してるリョーマくんが結婚したら女性ファンが嘆き悲しんだりとかしそうだし。 ・・・そういう女性ファンが異様に過激化した姿がストーカーなのかもしれないけども。 「このことはちゃんと話してあるから平気。が心配するのはストーカーに何かされないかだけでいいから」 「うん・・・」 ぽふぽふとリョーマくんが頭を撫でてくれる。 リョーマくんはどうやら頭を撫でるのが気に入ったらしくって、ことあるごとに撫でられてる気がする・・・。 まあ年齢も年齢だし、親戚だしで、リョーマくんからしたら妹みたいなものなのかなぁ、私。 ・・・うわぁ、へこんできた・・・。 「そういえば、リョーマくんって彼女は・・・いない、んだよね」 「・・・いたらと結婚しないでしょ」 「そ、それもそっか・・・」 そうだよね。流石に彼女いたら彼女と結婚するか・・・。 「彼女とか、特に今は興味もないし」 「そっか・・・」 ちょっとほっとした。 いや、だからって何ができるっていうわけじゃないんだけど、ほら、今好きな子がいるとか暴露されるよりはいいっていうか。 いつかはそうなることだってわかってても、本人の口からじゃないほうがダメージが小さい!みたいな、うん。 「あ、リョーマくん。晩御飯何にしようか」 「んー・・・茶碗蒸し」 「・・・茶碗蒸し好きだね、リョーマくん」 |